京王最大の駅を率いる新宿管区長の「意外な経歴」 中途入社後に配属の渋谷駅で"料理の腕"を発揮

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竹島さんは、新卒採用ではなく社会人採用、いわゆる中途採用で入社した。東急東横線反町駅近くで銭湯を営む家に生まれ育ち、大人になったら鉄道に――そういう思いを抱いていた。しかし、時はあたかも国鉄分割民営化の折。国鉄・JRは新卒採用を行っておらず、新卒時には鉄道会社への就職を断念している。

「それで調理師の専門学校に行きまして、調理師になったんです。大学はウチの親も『この子は勉強しないから』なんて(笑)。ただ、調理師になって1年くらいしたときに、料理長が大きなホテルの総料理長に引き抜かれて。飲食の業界はそういうことがたびたびあるんですね。そうなると当時は料理長についていくかそれとも残るか、という話になったんです」

ここで竹島さん、どちらの選択もしなかった。ディズニーランドでアルバイトをしながら、改めて鉄道会社への就職を志す。横浜に住んでいるから、頭にあったのは東急、京急、相鉄だ。当時はネットで簡単に採用情報を調べられる時代ではない。竹島さんは各社に電話をかけて、募集しているかどうかを問い合わせた。

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鉄道各社に電話で問い合わせ

「でもなかなかうまくはいかなくて。当時付き合っていたいまの女房に、『ほかの鉄道会社でもいいんじゃないの』と。それで横浜駅のルミネの公衆電話から京王帝都電鉄に電話をかけたんです」

すると、電話口で言われた言葉が「今日の5時締め切りですよ」。時計を見ると、もうすでに夕方の4時だった。普通ならば諦めざるを得ないところ。しかし、電話口の担当者は「週明けでいいのでとりあえず履歴書を持ってきてくれ」と言ってくれた。

「卒業証明とかは受験日までに用意してくれればいいから、と。そのときは京王にはほとんど縁がなくて、分倍河原も読めないくらいでした。それでも相模原線の延伸や週休2日制導入などで人を増やそうとしていた時期で、おかげでひっかかって入社することができたんです」

駅長室の窓からは百貨店口改札を眺めることができる(撮影:鼠入昌史)
【写真の続き】普段はまず見る機会がない、駅長室からの百貨店口改札の眺めは…?
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