軽井沢で静かな贅沢「北欧の暮らし」を味わう休暇 食やインテリアを楽しむホテルステイを《知る人ぞ知る静養の地》

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ニューヨークに出張した際に初めて手に取ったのがフィンランド生まれのブランド、イッタラ商品でデザイナーのアイノ・アアルトがデザインをした食器。初めて目にした北欧食器に、徳武さんは一瞬で恋に落ちた。1998年のことである。

翌年1人でフィンランドへ飛び立った。乗り継ぎの際、デンマークでヴィンテージ家具と出会う。家具の持つ節々、艶、年月を重ねて紡がれた色合いや使い込みによる風合いに惹かれた。そこに大量生産・大量消費という当時の日本の潮流とは異なる価値観を見出したのだった。

この国の文化を日本に伝えられれば――そして、生まれ育った長野に還元したいという気持ちが芽生えて始めたのがhalutaだった。

やがて家族を連れてデンマークで暮らすことになる。現在もなお、徳武さんの子どもたちはデンマークのコペンハーゲンで暮らしている。

まずはベーカリーを始め、その後ヴィンテージ家具店を立ち上げ、北欧の文化を伝えてきた。

「もちろん家具や食のことも伝えるのは大切だと思うのです。誰もが気軽に触れやすい北欧文化のアイコニックな存在ですから。ただ、この20年弱伝え続けてきてその文化が浸透しつつある。ある意味役割が終わったと感じたのです。私がこれからできること、それはもっと大きな枠組みとして生活の心地よさの大半を占める『住』の魅力を伝えることなのかなと」

そう徳武さんは静かに語った。

大きな窓
室内の断熱効果を保つため、滞在者には窓はなるべく閉め切るようにお願いしているという(写真:haluta)
緑が飾られたダイニングスペース
客室 ステューディオタイプのダイニングスペース(写真:haluta)

デンマークの住宅性能の高さに驚いた

かつて家族を連れてコペンハーゲンに移住した際にまず驚いたのは、日本の住宅と性能があまりに異なることだった。これほどに快適で心地よい空気、断熱と気密、やわらかな光が伴う環境で1日過ごせると、人間の心身に受ける影響に大きな違いがあった。

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