今回の事件はコンプライアンス上の問題が東京エレクトロン台湾子会社にあることが疑われる事案である。ただ、これまでの半導体業界の転職慣行の中では黙認されていた問題でもあったというのが、現場を知る筆者として感じるところである。
本件で起訴された東京エレクトロンの台湾子会社の元社員は、TSMCを退社して転職した人物である。その人物が自分のコネクションを利用して入手した「営業情報」を転職先で自らのプレゼンスを高めるために利用したというのが事の背景だろう。そして東京エレクトロンの台湾子会社はそれらの行為は「今までよくあること」だったのであまり気にせずにいたと思われる。
つまり、今までグレーだったものが今回はっきり黒と認定されたことで相当な混乱があったと想像している。
事件が今後及ぼす影響とは?
以上の業界内での慣行はあるものの、今後この一連の営業機密漏洩事件について筆者が注目しているのは以下の3点である。




















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