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「自分の声」で爆速通訳するアプリ「CoeFont」がアップルをあっさり超えた理由とは? 24歳学生起業家が描く"AIネイティブ世代"の経営

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まずは速度。CoeFont通訳に驚かされたのが、その翻訳速度だ。最短1秒で通訳を開始するリアルタイム翻訳を実現している。

アップルは最新iPhoneシリーズで「ライブ翻訳」という同時通訳機能を発表した。先日、やっと日本語にも対応したが、CoeFont通訳は翻訳スピード・精度・使いやすさなど複数の点で上回っていると評判だ。

なぜこれほど速く翻訳できるのか。早川氏は、その技術的背景を次のように説明する。

「ネット上のサービスを呼び出して利用するOpen AIなどを応用するのでは、目指すスピードには達しませんでした」

そこで彼らが採用したのは、無償公開されているオープンソースのLLM(大規模言語モデル)だ。中国で開発された生成AIが高性能なことは知られているが、具体的なモデル名は明かさなかったものの、中国製の大規模言語モデルを”翻訳速度重視”にファインチューニングし、計算方法を工夫して使っているという。

「通訳に関しては、たとえば数学の問題を解く必要はありません。そうした能力は省略し、通訳に特化してスピードが出るLLMに改造して使っています」

ただし、それだけで最短1秒で翻訳が開始されるわけではない。そこには独自の工夫がある。

文章が完結する前に翻訳を開始

日本語と英語のように語順が真逆の言語では、文章が終わるまで待っていると通訳が遅れてしまう。そこでCoeFontが採用したのは、人が話す「間」を利用した通訳だった。

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