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トランプ大統領は本当に「王」になるかもしれない/議会、裁判所、国民の堕落が「即位」を許す

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ヘンリ7世は他者の同意を得ることなく、あの手この手で王室の財政を充実させた。同様にトランプ政権も、執行期限が近づいている対外援助予算の支出を凍結し、本来なら議会に属する権限を自ら行使した。

これについて連邦地裁は凍結を解除して予算を支出するよう政権に命じたが、最高裁は会計年度末となる9月末に予算が失効するまで、対外援助予算の大部分を凍結し続けることを認めた。

支持者はこうした予算凍結についても、有権者のために行われた決断力ある行動の1つだと言うだろう。さらに議会にはこのような予算取り消しを却下する権限もあるため、トランプの権力は完全に野放しになっているわけではない。

もっともトランプ政権は、公務員に職務上与えられている保護を引き剥がし、職業に忠誠を誓うプロの役人から、大統領に忠誠を誓う側近へと権限を移し替えてもいる。公聴会や政府機関の監察総監によって取り上げられてきた問題は、今や密室で処理され、公には記録がほとんど残らない。

法律の恣意的適用で近づく「絶対王政」

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