やりたいことを後押しする文化がある…社会に出て「花開く人」を続出する学校は何が違うか?野沢北高校"探究学習の授業"をのぞいてみた
「自分たちが生徒だったころは、ざっくりとですが、学年300人中100人が国公立、100人が私立大学、100人が浪人するというような学校でした。ここは田舎ですから、都会のように、近くに大学がいくつもあるという地域ではありません。大学に進学する場合は卒業したら実家を離れて進学する生徒がほとんどです。そういう背景もあって、生徒がさまざまなことに自由にチャレンジできるよう、後押ししてくれていたのだと思います」(柳沢校長)
特色を出す必要に迫られた「通学区の変更」
長野県では県内の公立高校を12学区に分け、受験できる高校をエリア別に指定していた時期がありました。この制度が見直され、より広い範囲の地域から高校を受験できるようになると、次第に野沢北高校の志願者に影響が出てきました。
「本校は、ほかの進学校に比べて交通の便が悪いというデメリットがありました。最寄り駅のJR小海線の中込駅からは徒歩25分はかかります。それもあってか、駅からの通学が便利な進学校に生徒が流れてしまう傾向がありました」(柳沢校長)
進学実績も良い状態が続いていただけに、「学校の強みを生かしたい」という思いが、当時の教員の中に生まれていました。そんな中、持ち上がったのが、理数科クラスの新設でした。
「できたのは今から30年ほど前になります。難関大学進学を目指す理数科は人気となり、志願者が多い状況が続きました」(柳沢校長)
理数科では、当初から「課題研究」という科学的な探究を実施していたといいます。一方で、当時はまだ、難関大学を目指すための教育に重きが置かれていた普通科に変化が訪れたのは10年ほど前のことです。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら