──基準値には、科学的に決められた、簡単には変わらないものというイメージがありそうです。
変更不能で、絶対的なものとして捉えられやすいという点では、本書でも取り上げた“未成年”の飲酒と喫煙の禁止がまさにそうだ。
22年の民法改正に伴い「成年」の年齢が20歳から18歳に引き下げられたが、飲酒や喫煙は「20歳から」で変わらない。もし、飲酒・喫煙を18歳から可能にしようとすれば、各方面から反対の声が上がるだろう。
一方、科学的な側面に関してはあいまいさも残っている。「心身への影響を考慮しつつ、何歳なら飲酒・喫煙してもいいのかを分析しよう」という話になると、「昔から20歳と決められているからそれでいいんじゃないか」と議論が中断されてしまう。
基準値はゼロリスクを保証するわけではない
トピックボードAD
有料会員限定記事



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら