公明党をつなぎ留め、国民民主党を引き込めるか? 高市政権"安定化"のカギを握る自民党「最恐の聖域」の解体
ただ、自民税調という組織は「総理・総裁や執行部も口出ししにくい、独立した存在」として定着してきた経緯がある。しかも、財務省(旧大蔵省)出身で税制に詳しい“専門家”が多く、「普通の議員では、税制論議で太刀打ちできない」(自民党の若手議員)のは否定できない。
さらに、今回の総裁選で高市氏を支持した麻生派と旧茂木派には財務省出身の税の専門家が少ないこともあって、「総入れ替えは実質的に困難」(新執行部)との見方も多い。
野党側にも「これまでの税制協議の経過や結果をすべて白紙に戻すとなれば、対応しようがない」(立憲民主党の政調幹部)という不安が根強い。このため、新執行部、とくに財政や税制に詳しいとされる麻生、鈴木両氏がどう調整するかが注目の的だ。
ノーベル賞受賞騒ぎは「幸運」との揶揄も

こうしてみると、高市新執行部の出だしは「ハードルだらけ」とされる。ただ、日経平均株価は10月6日に史上最高値を更新しており、「初の女性首相」への国民の期待も大きいことは明らかだ。
それだけに、本来なら新聞では1面トップ、テレビでもニュースの1番手で取り上げられるはずだった「新執行部」関連の報道が、ノーベル生理学・医学賞を大阪大学の坂口志文特任教授が受賞したというニュースが6日夜に流れたことで、2番手以降に“格下げ”となったのは、痛手だったとみられる。
ただ、これについても、自民党内の一部からは「新執行部の偏った陣容への批判や解説が減ったのは、高市氏にとっても幸運」と揶揄する声が出ている。
高市氏と新執行部は公明党や国民民主党との協議に一定の時間が必要との判断から、首相指名・組閣のための臨時国会の召集時期を、当初想定されていた15日から17日に先送りすることで野党側と交渉する方針とされる。
野党側は、7日午前の6党国対委員長会談などで「これ以上の政治空白は許されない」と早期召集を要求。「20日の首相所信表明、22日から3日間の衆参代表質問」という日程は変えられそうもないのが実情だ。このため、高市氏や新執行部にとって、今後10日間が「最初で最大の正念場」になりそうだ。
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