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新米の秋、JAの逆襲…「増産」なのになぜ4000円台が続く?/コメ集めに躍起のJAは概算金を競うようにアップ、先駆けた阿蘇でさらなるサプライズ

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7月下旬、全国に先駆けて「概算金3万円」の狼煙を上げたのがJA阿蘇だ。熊本県阿蘇市と周辺7町村をカバーする。阿蘇コシヒカリは九州屈指の銘柄米である。

阿蘇山のふもとに水田が広がる風景
阿蘇山のカルデラは標高が高く夜間に気温が下がるため、良質米が実る (記者撮影)

9月9日、阿蘇山のふもとでは一面の稲穂が頭を垂れ始めていた。田んぼの中にそびえる真新しいコメ倉庫前で開かれたJA阿蘇の新米出発式。挨拶に立った原山寅雄組合長が、概算金をさらに3000円引き上げると宣言すると、居並ぶ取引先やJA組合員たちは息を飲んだ。

配られた紙に並ぶ概算金の数字は、すべての等級で前年の1.5倍だ。

「生粋の百姓」だと胸を張る原山組合長は、新たに示した概算金について「米農家の跡取りが田舎に帰ってコメを作ろうかなと思えるような、米農家が古い機械を更新できるような、そういう再生産可能な金額であります」と力を込めた。

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