「あまちゃん列車」ミャンマーの大地を走る 定刻発着に「じぇじぇじぇ!」大好評の鉄道
このころには車掌とも打ち解けて話せるようになっていた。まるで甲子園を目指す野球少年のような丸刈り頭の車掌は、はにかんだような笑顔が初返って親近感を感じさせるが、実は警察官。警察に入って23年目というベテラン警官だ。名前はゾーテー。今年でちょうど40歳だという。
なぜ車掌が警官をしているかは不明だが、テキパキと車掌業務をこなしている。「15年前、6カ月の研修を受けて鉄道警察に移ったんだ」と、制服の肩に縫い付けられた鉄道警察のエンブレムを誇らしげに見せてくれた。
最終列車だけあって、折り返しの車内は一日の仕事を終えたらしい人々が次々と乗り込んできた。乗車率は7割といったところか。皆、ほっとした表情で言葉を交わし、さきほどよりも車内はずっとにぎやかになった。
日本の車両は揺れないし安全
2駅目のワーダン駅から乗ってきたにこやかな女性2人組は、ストランド通り沿いのボーダータウン駅まで帰るところだと教えてくれた。
家はそこからさらにヤンゴン川をフェリーで渡った先のダラーにあるという彼女たちは、以前はバスで通勤していたが、今はもっぱらこの最終列車で帰宅しているという。
「バスだと、何時に家にたどり着けるか分からないもの。列車は時間が確実だし、快適だから、仕事を少し早目に切り上げてこの列車に乗るようにしているのよ」と顔を見合わせながらうなずき合う。
また、鉄道省に勤務しているという女性は、朝の出勤時は時間が合わないため利用していないが、帰宅時には毎日乗っているという。「終点のパズンダン駅まで乗ってから環状鉄道に乗り換えて自宅の最寄り駅まで帰るの。とっても便利よ」と満足げだ。「やっぱり日本製の列車はいい。揺れないし安全ね」と付け加えた。
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