「あまちゃん列車」ミャンマーの大地を走る

定刻発着に「じぇじぇじぇ!」大好評の鉄道

地元住民の生活路線として、すっかり定着している

車内から手を伸ばせば届きそうなほど、線路のすぐそばまで家屋や食堂が接近している地区を通り過ぎ、市街地の南側を流れるヤンゴン川に面したストランド通りに出た途端、行く手がパッと開けて車内が明るくなった。

1908年に貿易会社のオフィスとして建てられたという赤レンガ造りの中央郵便局やクリーム色のストランドホテル、かわいい三角屋根の見晴らし塔がシンボルの港湾局など、英領植民地時代の面影を色濃く残す建物が沿道に並んでいる。

それらを眺めながら走っていると、雨期特有の厚く垂れこめた雲からぽつりぽつりと水滴が落ちて来た。そうと思ったのもつかの間、雨はすぐにバケツをひっくり返したように音を立てて地面をたたき始める。大通りが雨に煙ると、ノスタルジックな雰囲気を一段と醸し出し始めた。

定刻通りに列車は発車する

出発した時には運転士と車掌しかいなかった車内にも、15分ほどの間に数人の乗客が乗り込んできた。男性2人と女性1人のグループは、これから瞑想に行くのだと言う。

「17時から瞑想が始まるんだけどね、バスで行ったら何時に着くか分からないだろう?これが一番だよ、何時に乗って何時に着くか確実だからね」と話してくれた男性は、以前、保健省に勤めていたが、現在はリタイアし、気の置けない仲間と週に3回、瞑想通いを楽しんでいるという。

降りる間際に、「もし時間があれば一緒に瞑想に行かないか、気持ちが落ち着いていいものだよ」と熱心に誘ってくれたが、数時間後には空港に向かい、帰国の途につかなければならなかったため、心惹かれながらも丁重に辞退し、3人を見送った。

ストランド通りを抜け、市街地の喧騒の中をしばらく走ると、終点トゥーリクェ駅に到着した。正味50分の旅だ。聞けば10分後に折り返し運転をするというので、そのままパズンダン駅まで戻ることにした。16時ちょうど。来た時と同じように定刻通りに列車が発車する。

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