今後10年間は僕が独走する 外食成長株、ステーキ「けん」井戸実社長に聞く

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--ブログがよく火種になっているが。

ブログを書くときは何も考えていない。思いついたことを言っているだけ。いちいち周囲の反発を気にしていたら何もできない。ブログが炎上することで売り上げが落ちるのではと言われるが、びくともしない。マーケットの対象じゃない人たちにいくら言われようが関係ない。

ツイッターで意味なく絡んでくるのは救いようがないが、ブログの読者はコアのお客様。たまに2ちゃんねるなどで炎上させて、11年7月に始めた有料のメルマガに読者を誘導させる方法だ。このメルマガだけで毎月80万円の入金がある。

 経営者は失業保険にも入れないし、会社の負債について個人保証もしている。潰れたら自己破産で悲惨だ。最悪、メルマガで食べていけるようにしておけば、パソコン1つでやっていける。会社が倒産しても、何が何でも家族を食べさせていくための保険だ。

--外食業界の今後は。

プレーヤーが減っていくのは間違いない。今後減っていく中で誰が残るか。消費者は保守的なので外食産業はブランド力のあるところが強い。一から作るよりは買い取ったほうが早いため業界再編は必ず起きる。エムグラントサービスは作る側に回る。「49歳で若手」なんて言っている老人たちには引退してもらう。

外食産業はこの10年間で大きく変わった。10年前、僕のようにゼロからここまで一気に拡大できる存在はなかった。おカネもつかなければ、出店の後押しをしてくれる人もいなかった。いちばん大きく変わったのはファイナンス。以前は水商売と呼ばれていた外食も産業として地位が確立され、資金調達がしやすくなった。加えて、外食の出店を支援するようなリース会社ができたこともある。地主もダイエーが潰れる時代に、相手を見て土地を貸すようになった。

僕が1978年生まれ。上だと100店舗100業態を達成したダイヤモンドダイニングの松村厚久社長が目標だ。下の代もサブライムの花光雅丸氏や、セクションエイトの横山淳司氏など新しい世代が少しずつ頭角を現している。そういう意味では業界の若返りはしている。老人たちにはどんどん引退してもらう。

 とはいえ、同世代の外食の経営者で見れば僕がぶっちぎりだ。これが何年維持できるかということだが、ライバルも出てこない。この10年なら独走だ。僕を抜く経営者がいるかどうか、それが今後外食産業を見ていく中で面白いところだ。

(聞き手:松浦大 撮影:今井康一 =東洋経済オンライン)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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