日比谷高校「東大合格者81人」!年内入試は少数派、「第一志望主義」貫く"公立の頂点"躍進の裏側 新設の「恐竜学部」にトップ合格した生徒も

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指定校推薦枠もほぼ利用せず、一般入試で挑む生徒が多数

出口となる進路に関しては、前述のとおり国公立志向が強く、男子は東大、女子は医学部を志望する生徒が多いという。大きな特徴は、ほとんどの生徒が一般入試を受験するという点だ。

2025年度入試では国公立大学の総合型選抜での合格者は3人、学校推薦型選抜は5人(うち1人は東大法学部)。私立大学の合格者も総合型選抜で1人、学校推薦型選抜で1人にとどまり、前者の生徒に関しては最終的に国立大学医学部に進学した。

「国公立大学を受けられなくなってしまうため、私立大学の指定校推薦の枠も毎年ほぼ活用されていません。ただ、現役進学率は78%と以前より高くなっており、第一志望の国公立大学への進学がかなわずに併願していた早慶などの難関私立大学に進学する生徒は毎年一定数います」

海外大学を受験する生徒は毎年1~2人程度と多くはない。これは海外大進学に力を入れている一部の中高一貫校とは大きく異なる点だろう。

「大学入学後に留学する生徒は多いですが、大学進学の時点では『自宅から通える国公立大学に行ってほしい』と考える保護者も多いのかもしれません。本校としては志望者がいればサポートを行っており、2025年度入試では、帰国子女ではない生徒がオックスフォード大学と一橋大学の両方に合格しました。海外大学は9月入学なので、4月の時点では一橋大学に進学しており、改めてどちらで学ぶかを検討するようです」

東大や医学部を志望する生徒が多い中、探究活動などを通じて興味・関心を深掘りし、自分のやりたい学問を志す生徒も出てきている。2025年3月の卒業生では「東大に合格できる実力を持ちながらも、やりたいことにこだわり、新設の福井県立大学恐竜学部にトップ合格で進学した生徒もいた」(萩原氏)。

萩原氏は「東大合格のみをゴールとはしない」と言い、今後の人材育成の方針について次のように述べる。

「東大に進学した卒業生たちは、英語力を武器に外資系のコンサルティング会社などに就職する人が増えているようです。そのように自らの能力を生かせる環境で経験を積み、その後に起業する選択肢も考えられるでしょう。また、グローバルに活躍する人材を育成する一方で、官公庁などに勤めて日本を支える人材の育成も重要です。職業選択にあたっては収入や働き方など多様な観点がありますが、『人のために行動しよう』という思いを持って社会で活躍できる人材を育てていきたいと考えています」

(文:安永美穂、注記のない写真:編集部撮影)

東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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