日比谷高校「東大合格者81人」!年内入試は少数派、「第一志望主義」貫く"公立の頂点"躍進の裏側 新設の「恐竜学部」にトップ合格した生徒も

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「小テストの正答率が低いと追試の対象となり、試験範囲を確実に理解しないと先に進めないようにしています。各教科の宿題、英語や古文・漢文を中心とする授業の予習、理科の実験レポートなど、やるべきことはかなり多く、平日は『学年プラス2時間』の自学自習が必要です」

英語に関しては、「入学時点でほとんどの生徒が英検準2級を持っており、高1の終わりに英検2級に合格する生徒が多い」とのこと。4技能のスキルが高い生徒が入学してくることも踏まえ、英語の授業では1年次にプレゼンテーション、2年次にディベートを取り入れている。

多角的なアプローチで構成されている英語の授業
(写真:日比谷高校提供)

「例えば、1年次の英語では、教科書の読解、英作文と文法、プレゼンテーション、CBSニュースを素材にした大学生向け教材での学習、英語長文の問題集と、週5コマの授業それぞれで異なる学習を行うことで、多角的に英語に触れられるようにしています」

さらに、1年次にはオンライン英会話を導入し、1・2年次では全員がケンブリッジ英検を受検するなど、将来の留学の可能性を見据えた取り組みも行っている。

充実の講習、探究やグローバルリーダー育成にも注力

授業以外の講習も充実しており、原則1・3・5週目の土曜日で校内模試がない日には、希望制の土曜講習を年8回程度実施。1・2年生は国語・数学・英語を中心に発展的な内容を扱い、3年生は理科・社会の講習を行う。さらに、夏休みは1コマ90分×5日間を1講座とする夏期講習を実施。3年生は各教科の受験対策講座が1日4コマ開講される日も多く、外部の予備校に劣らないラインナップとなっている。

萩原聡(はぎわら・さとし)
東京都立日比谷高校統括校長
1961年東京都生まれ。電気通信大学大学院修士課程修了後、1987年に都立高校の数学科教員として採用される。東京都教育庁指導部主任指導主事、片倉高校、昭和高校、江北高校、西高校の校長、全国高等学校長協会会長などを経て、2024年より現職

「1年生は4割、3年生は7割の生徒が通塾しており、夏期講習は塾との兼ね合いを考慮して取捨選択する生徒が多いですが、80~90人規模の大教室が埋まる講座もあります。昨今の入試動向も踏まえ、社会では文化史や経済史など、通常の授業では扱いにくいテーマを集中的に学ぶ講座も開講しています」

このほか、都立高校で導入が進む校内予備校にあたる取り組みとして、予備校講師による全学年対象の数学の講座を週1回、放課後に実施。共通テストに「情報」が追加されたことを受けて、2024年秋には3年生を対象とした「情報」の集中講座も開いた。

日比谷高校は文部科学省指定のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定19年目となり、東大をはじめとする大学や研究機関との連携により、第一線の研究者の出張授業、研究室訪問なども実施している。1年次には全員がデータを活用した探究に取り組む「理数探究基礎」を受講し、探究活動を継続したい生徒は2・3年次も選択科目を受講することで、3年次に学会等での発表を行うことも可能だという。

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