13年ぶりに"反省"に言及した石破首相、「戦後80年」で問われる日本の針路と《9月大政局》の行方

「戦後80年」の節目の年に迎えた8月15日の終戦記念日。東京都内で開催された全国戦没者追悼式では、天皇陛下が「おことば」で、石破茂首相が「式辞」で、それぞれ先の大戦に対する“思い”を込めて、改めて不戦と平和を訴えた。
折しも、翌16日未明(日本時間)には、アメリカのドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領による首脳会談が開催され、ロシアとウクライナの停戦をめぐる協議が行われた。
国際情勢が揺れ動く中で、今回の日本の天皇陛下と首相の新たな訴えが国際社会でどう受け止められるか、そして保守化が際立つ日本の政界にどのような影響を与えるかが、今後の日本の針路を決めるカギとなりそうだ。
石破首相は「アジアへの責任」には触れず
例年と同様、15日昼に千代田区の日本武道館で開かれた政府主催の全国戦没者追悼式には、天皇、皇后両陛下や石破首相、遺族ら4523人が参列した。厚生労働省によると、遺族は3358人が参列。最高齢は98歳、最年少は玄孫世代の3歳で、戦後生まれが53.2%を占め、初めて半数を超えたとされる。
追悼式では、正午の時報に合わせて全員で黙祷をささげた。これを受けて、天皇陛下は「終戦以来80年、人々のたゆみない努力により、今日のわが国の平和と繁栄が築き上げられた。戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います」などと述べられた。
石破首相は「戦争を知らない世代が大多数となった」とし、「進む道を二度と間違えない。あの戦争の『反省と教訓』を、改めて深く胸に刻まねばならない」と強調。そのうえで「歳月がいかに流れても、不戦に対する決然たる誓いを世代を超えて継承し、恒久平和への行動を貫いてまいる」と述べたが、アジア諸国に対する日本の責任には触れなかった。
今回、石破首相は「反省」に言及したが、これは2012年の野田佳彦首相(当時)以来13年ぶりだ。石破首相は首相官邸で記者団に対し、「反省」の意味について「あのような戦争を二度と行わないため、その反省と教訓を改めて胸に刻む必要がある。これまでの政府の見解と変わるものではない」と強調した。
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