中でも北バージニアは、アメリカのデータセンターの約4分の1が集中しており、いまなお新規建設が続いている。しかし、騒音や景観変化、電力消費増大への懸念から住民との摩擦も強まっている。その一方で、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOはデータセンターが、データと電力から大きな価値を生み出す「AIファクトリー」という新たな工場に進化すると語る。
元OpenAI共同創業者兼チーフサイエンティストだったイリヤ・サツキバー氏は「将来地球全体がソーラーパネルとデータセンターで覆われる可能性がある」と語ったが、荒唐無稽な話だと笑い飛ばすことができないほど、AIの進化によって膨大なインフラとエネルギーが必要とされている。
国際エネルギー機関(IEA)は世界のデータセンターの電力消費量が2030年までに945TWh(テラワットアワー、テラは1兆を表す単位)と2024年の水準から倍増すると予測。この規模は日本の年間電力消費量に匹敵する。アイルランドではすでに国内電力消費の約20%をデータセンターが占め、電力供給の逼迫や温室効果ガス排出の増加が懸念され、エネルギー政策をめぐる議論を引き起こしている。
環境負荷の課題に挑むクルーソー
こうしたデータセンターにまつわる電力供給や環境負荷の課題に挑むスタートアップが米コロラド州デンバー発のCrusoe Energy Systems(クルーソー・エナジー・システム)だ。
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