ケータイの電磁波は健康に悪影響なのか--初の全国シンポジウムが開催

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日本弁護士連合会で公害対策環境保全委員を務め、福岡県久留米市のNTTドコモ基地局差し止め訴訟にもかかわった高嶺真弁護士は、電磁波に関する規制が進む欧州の視察事例を報告した。

「スイスでは、電磁波による健康被害に関して予防原則の観点から日本よりも厳しい規制を設けている。日本の場合、総務省が定めている電磁波に関する規制値は急性影響を考慮しているのみ。基地局の周辺住民のように微量の電磁波を長期的に浴びる場合を考慮しておらず、政府は対策に乗り出すべきだ」と指摘した。

今回のシンポジウムには、健康被害を理由に宮崎県延岡市自宅近くの基地局の操業差し止めをKDDIに求める延岡大貫電磁波訴訟の原告団長・岡田澄太さんも出席した。基地局が建設された2007年以降、岡田さんは耳鳴りや不眠に悩まされ、以来5年以上も自宅を空き家にする生活を続けている。

「基地局の撤去を求め、携帯会社を相手取って裁判をしているが、本来なら国が早急に規制値などを是正する必要がある」と強く訴えた。09年に実施された住民による健康調査では、基地局周辺で162人が不眠や耳鳴りなどの症状を訴えている。延岡大貫裁判の判決は、10月17日に下される予定。健康被害を争点にして基地局撤去を訴える裁判は全国でも初めてで、その判決は重要な意味を持つ。

(麻田 真衣=東洋経済オンライン)

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