「検索してはいけない」「怖い」不穏なワードと共に検索される謎の“遊園地” 崖っぷち経営の《自虐イズム》に隠された、実は真面目な生存戦略

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「まずは、いろいろな日本一を記録認定するサイト『NIPPON-1.NET』に応募して、認定されました。それを祝して、老朽化したボディをピカピカのゴールドに塗り変えました。SNSで名前も公募して、現在のドン・グリスに決まりました」

こうして、1999年に「巨大なリスのオブジェ」として造られ、親しまれてきた存在は、20年の時を経てようやく名前が付けられたのだった。

LINEスタンプ
現在、ドン・グリスのキャラクターはすっかり浸透して、公式スタンプも販売中。「LINEスタンプはおかげさまで多くの方々にダウンロードいただいております。ありがたく運営に回させていただいてます」と境田さん(公式サイトよりスクリーンショット)
ライブの告知
さらには、『ドン・グリス』のテーマソングが地元出身のミュージシャン・徳久望さんによって制作され、不動の園内BGMとして浸透している。これが一度耳にすると忘れられないメロディで、つい口ずさんでしまうから恐ろしい……。気になった人は「ドン・グリス 曲」で検索を!(筆者撮影)

何気ない一枚の写真がきっかけで……

さらに、境田さんはSNS運営にも着手。Twitter(現X)を中心に、園内の情報やイベントについて積極的に投稿するようになった。

最初の頃はごく一般的な運営を行っていたSNSだが、ホラーテイストな写真やメルヘンな雰囲気とはかけ離れた写真を投稿していたことをきっかけに人気テレビ番組『月曜から夜ふかし』からオファーが来る。それはこんな一枚だ。

夜の遊具
こんな感じの投稿だ。メルヘンなキャラクターと遊具が、夜の闇の中で独特の存在感を見せている。実際の写真は残念ながらデータが残っていないそう(メルヘン村公式Xよりスクリーンショット)

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