「検索してはいけない」「怖い」不穏なワードと共に検索される謎の“遊園地” 崖っぷち経営の《自虐イズム》に隠された、実は真面目な生存戦略

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まずは、順を追ってこの地方の小さな遊園地がたどった数奇な運命を紹介していきたい。

1992年に開園したメルヘン村だが、実は2011年にもとの運営会社が倒産してしまった。そこを新肥前観光が引き継ぎ、その後2019年に「忍者村」で知られるマールが買収した。

つまりは、メルヘン村は10年の間に2回の買収劇を経験しているのだ。当時のTwitter(現X)では「メルヘン村は2回死んだ」と話題になっていた。

まさに崖っぷち経営である。

なお、「忍者村」とは九州唯一の忍者体験型テーマパークであり、メルヘン村から車で約10分の場所にある。正式名称は「元祖忍者村 肥前夢街道」。つまりは「忍者村」が「メルヘン村」の親のような存在に当たる。

キャラクターの力で起死回生

2019年の買収で、メルヘン村の経営体制は一新された。

「私も実は忍者村の出身なんです。人手確保のため、学生時代に忍者村でアルバイトをしていた私にも声がかかり、メルヘン村に就職することになりました。売り上げアップはもちろん、ひたすらコスト削減を目指していた時期でした」

少子高齢化が進む今、全国各地の遊園地は集客数が年々減少している。「メルヘン村」もその例にもれず、平日は来客が3~5名のこともあったそうだ。コストをかけずにPRすることは、運営の大課題となった。

就職後の境田さんが取り組んだのは、園の象徴的な存在である「リスをメルヘン村の目玉にする」こと。キャラクターの力で起死回生を図ったのだ。今でこそ「ドン・グリス」の名前で知られる園を代表するキャラクターだが、当時はまだ名前がなかったという。

リスのオブジェ
このリスを園の目玉にと奮闘。当時は黄色だった(画像提供:メルヘン村)
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