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MMT生んだ債券ファンド投資家が語る「日本国債」、ウォーレン・モズラー氏インタビュー「金利を引き上げるほどインフレが進む」

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――支出のためでないなら、なぜ政府は国債を発行するのでしょうか。

政府が国債を売るのは、金利を押し上げるためだ。国債の販売によって、売却する年限の金利は押し上げられる。30年債を売れば、30年物の金利に影響を与え、誰かがそれを買いたいと思う水準まで金利は上昇する。

どの年限の国債にも限られた数の買い手しかいない。財務省が発行年限を検討する際にまず行うことの1つが、その年限の買い手がどれだけいるかを見極めることだ。

彼らは調査を行い、現在の金利水準でどれだけ売れるか最善の見積もりを立てる。もし見積もりを間違えれば、金利はより高くなる。彼らが自覚しているかどうかにかかわらず、国債の販売によって金利水準とイールドカーブの形状を実質的に操作していると言える。

モズラー氏が提案する政策

――日本では現在、超長期債利回りの急騰が問題視されています。

もし私が日本政府を運営するなら、恒久的なゼロ金利政策を採用する。そうなれば、長期債・超長期債の利回りはゼロに近づき、政策変更のリスクを反映してわずかに高くなる程度だろう。やがて、政府が金利をゼロから変えるつもりがないことを市場が理解すれば、3カ月物より長い国債を発行する理由はなくなる。

――それは日銀が実施していたイールドカーブ・コントロール(YCC)とは異なるのでしょうか。

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