"勉強時間は長いほどいい"の常識を覆す、東大合格につながった衝撃の「30分ルール」 あえて「上限」を決めたら起きた《5つの変化》

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参考書
参考書に直接書き込んだり、紙を貼ったりして情報をまとめた
(筆者撮影)

授業への集中度が劇的に向上

自宅学習が30分に制限されると、授業内容を“理解”するには時間が短く、せいぜい授業内容の“確認”程度にしか使うことができない。そのため、「授業内ですべてを理解しなければいけない」という強い意識が芽生えるようになった。

今までは、消極的になんとなく板書を写していただけの授業だったが、時間内にすべてを理解するために、積極的に質問をしたり、工夫しながらメモを取るような受け方に変化していったのだ。

学びが“楽しいチャレンジ”に変質

また、30分という短距離走的な学習をしたことで、集中力が切れて学習や工夫もないままダラダラと問題を解く“作業沼”を回避することができた。毎回「どうすれば30分で最大の成果を出せるのか」を考え続けるようになり、ゲームのような感覚で、工夫しながら勉強を楽しむようになったのだ。

勉強に取り組む子どもたちの中には、「勉強がつらい」という感覚すら麻痺してしまい、なるべく頭を使わずに作業をして時間を使うことで「勉強している風」を装うようになってしまう場合もあるだろう。このような生徒にこそ、《神田ルール》は最大の効果を発揮するのだ。

「これだけ勉強したのに伸びない」の裏にある幻想

これまで述べてきたように、私は《神田ルール》のおかげで、主体的に自分の学習をデザインすることができた。私の両親がどこまでを想定していたのかは分からないのだが、少なくとも、私には勉強を楽しみながら工夫をし続ける能力が身に付き、それが最終的には、定時制高校にも塾にも通わず、東大に独学合格を果たすための土台となった。

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ハーバード・ビジネス・スクールの研究によると、資源が限られた状況ほど人は問題解決に創造性を発揮しやすい。「これだけ勉強したのに伸びない」の裏には、しばしば量の幻想が潜んでいる。“時間”という資源をあえて絞り込むことで、人は学び方そのものをデザインし直す。ICTが発達した今日、短く・深く・楽しく学ぶ仕組みを作るハードルは劇的に下がったと言える。

そうして「学びを学んだ」その先に、成績向上のみならず、勉強を主体的に楽しみ、勉強以外の様々なものごとに対しても工夫しながらチャレンジできる知識や、時間的な余裕が生まれてくるだろう。

私の学習経験を1冊に凝縮した書籍『成績アップは「国語」で決まる!』には、《神田ルール》をはじめ、一見非合理にも思えるが実は合理的な私の独学法が多数詰まっている。あなたの「1日30分」の勉強が、未来の可能性を無限に広げる。その第一歩を、ともに踏み出してもらえれば嬉しい。

(注記のない写真:colors / PIXTA)

執筆:Overfocus代表 神田直樹
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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