【空き家を資産価値UP】築55年木造住宅が新築性能に!? 売却益で住み替えも。「ヤドカリプロジェクト」が示す中古住宅革命 静岡
「木造住宅の耐久性をむしばむ大敵は水分とシロアリです。空き家を改修する際は壁の中が結露しないよう外壁に通気工法を取り入れたり、土台を地面から30cm以上の高さに据えて地面で跳ね返った雨水によりぬれないようにしたりする改修を行います。
耐震性の向上策では、例えば建物の柱と柱の間に斜めに筋交いを入れたり、合板を入れたりして強化します」(白坂さん)。

新築志向の脱却
空き家を改修して長寿命化するヤドカリプロジェクトはストック資産を再利用することによる経済合理性や環境負荷削減など社会的意義は高いが、普及へのハードルもある。
一例を挙げると、マイホームを購入するなら新築を手に入れたいという新築志向のマインドチェンジや、空き家を適切に改修すれば長寿命化や資産価値が向上することの啓蒙活動、金融機関などが中古住宅の資産価値を適切に評価して改修費用を住宅ローンとして貸せるインフラ整備なども必要だろう。

「現在は事業拠点としての運用を目的とした4軒目のヤドカリプロジェクトを浜松で立ち上げるべく新たな空き家を調達するところです。ヤドカリプロジェクトでは空き家探しから家主との交渉、改修、運用、売却までを一貫して行います。
既存の住宅ビジネスにはない取り組みなので1つのプロジェクトを回すのに時間がかかって大変ですが、やりがいを感じています。空き家を再生した拠点を地域に増やすことで点が線となり、やがて面とすることで地域を安心して暮らせる場所として永く受け継がれるものにしていきたいです」(白坂さん)
白坂さんは金沢と浜松の二拠点で活動しており、主にその移動経路上(浜松、愛知、滋賀、福井、金沢などの地域)であれば、空き家を再生できるかの相談に気軽に乗ってくれるそうだ。相続した空き家を改修して長く住みたい、空き家を再生した家に住んでみたいという方は問い合わせてみてほしい。
リージョン・スタディーズ
取材・文/冨丸 幸太
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