【空き家を資産価値UP】築55年木造住宅が新築性能に!? 売却益で住み替えも。「ヤドカリプロジェクト」が示す中古住宅革命 静岡

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「竪穴の家は広さが71平米の2階建ての木造住宅です。2019年12月に当時築63年の空き家を購入して改修しました。

現在、私の家族は金沢で暮らしており妻や子どもは住んでいませんが、私が仕事で来た際に住んだり事務所として使ったりしています。また2階にある1部屋を知人に貸したり、1階の土間をヨガ教室など地元事業者に時間貸ししたりしています」(白坂さん)。

竪穴の家の土間
竪穴の家の土間。採光が豊かで空間にゆとりがあるため開放感がある。現在は事務所や時間貸しスペースなどとして利用(撮影/本美 安浩)
キッチン
東の庭に面するキッチン。敷地境界の擁壁と平行に建物を減築したので台形になっているのが特徴(撮影/本美 安浩)
軒下空間
土間南側の軒下空間。雨の日や日射しが強い日も使えるため土間での活動が拡張できる(撮影/本美 安浩)

さらに竪穴の家から7~8分歩いた場所に、白坂さんがヤドカリプロジェクトで最初に手がけた「がんばり坂の家」がある。この家もまた白坂さんが築古の空き家を購入して改修し、家族でしばらく住んだ後に売却した。

「『がんばり坂の家』はロフト付きで広さが57平米の木造一戸建てです。2018年に当時築55年の空き家を購入して改修し、家族で約2年間住んだ後、2020年の暮れに売却しました。購入者は小さなお子さまがいるご夫婦で住宅の基本性能の高さと開放感がある空間を気に入って購入していただきました」(白坂さん)。

がんばり坂の家
白坂さんが最初に手がけたヤドカリハウス「がんばり坂の家」の外観(撮影/淺川 敏)

ヤドカリのように売却益で住み替えてステップアップ

「がんばり坂の家」のケースで驚くべき点は、築55年の木造住宅でも適切に改修すれば資産価値を高められるということだ。

一般的にわが国においては築古の木造住宅の資産価値は低く見なされ、解体して更地にされてしまうことも多いのが現状だ。更地にするには解体費用がかかる点を考慮すると、築古の木造住宅の建物の資産価値は実質マイナスの場合も多いと言えよう。

がんばり坂の家の内観
がんばり坂の家の内観。木のぬくもりを感じられるよう素材を活かした改修を実施(撮影/淺川 敏)
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