「小学校受験」慶應義塾や学習院、雙葉の願書は何を書く?NG例や面接質問も紹介 暁星や浦和ルーテルは「トラブル対応」問う出題

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「子どもの主体性を育んでくださる貴校での学びは、まさに私共の理想です。熱心にご指導くださる先生方のもと、世界で活躍できる人になってほしいと願い志望しました」

この文章を読んで、どこの学校への志望理由か、わかりますか。「主体性を育む」「熱心な先生方」などの一般的な表現では、その学校ならではの教育プログラムを理解していない=志望度が低い、と思われてしまいます。どの学校にも当てはまるような志望理由は、「その学校でなくてもいい」と伝えているのと同じことになってしまうのです。

「祈りを大事にし、神様に愛されていることを実感できる学校生活で、心豊かな大人になってほしいと願っております」

こちらも一見よさそうですが、キリスト教の学校であれば、どこにでもあてはまってしまいます。数あるキリスト教の学校の中でなぜその学校を選んだのかまで深掘りする必要があるのです。

他にも、6年間の小学校生活のうちでたった1回しかない学校行事を志望理由にするご家庭(毎日通う学校を、1回の行事で選ぶでしょうか?)や、学校公開で出会った1人の生徒の様子などを志望理由にするご家庭(たまたまその子がよい子だっただけかもしれません)もあります。

また最近は、AIを使って簡単にそれらしい文章を生成し、志望理由にするご家庭もあります。しかし、AIはネット上の情報を集めて文章を整えることはできても、そのご家庭ならではのエピソードや想いまでは反映できません。ご家庭の子育てに対する想いや、我が子の成長の様子、感動したエピソードなどは、決してインターネット上には転がっていないはずです。結果として、「一見整っているけれど中身がない文章」になってしまいます。また、面接で家庭の実像と一致せず、違和感を抱かれることにもつながりかねません。

願書は「我が家の子育て」を凝縮して伝える大切な書類。それらしく取り繕うのではなく、日々の子育て中にある本当の体験を、丁寧に掘り起こすことが大切です。そのためには時間も労力もかかるかもしれません。しかし、「将来どのような人になってほしいのか」「どのような教育を受けさせたいか」「家庭で大事にすることは何か」を夫婦で話し合い、考えをまとめるプロセスは、目的地がわからない“子育て”という大海原において、いわば“地図を作る作業”になります。この時間を大事にすることで、受験だけでなく、子育てそのものに対する視点へと意識が変わってくるはずです。

面接は質問に答えるorアピールする?最新傾向は「トラブル対応力」

親の試験は、願書だけではなく面接もあります。願書であれば、何度も推敲して提出することができますが、面接は本番一発勝負。やり直すことができません。実際の面接において、子どもより親が失敗してしまうケースも多くあります。

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