クリス・パッテン卿「トランプ主義の結果、アメリカは悲惨なことになりかねない」、ワシントンとその周辺には嵐の雲が垂れ込めている

トランプ大統領とその支持者たちは、彼らのアジェンダに反する判決を下した裁判官を弾劾すると脅している。とくに議員は、憲法上の権限を守るか、それとも憲法が着実に侵食されるのを黙って見ているか、という重大な選択を迫られている。多くの議員（とくに共和党議員）は、イーロン・マスクが資金を提供する可能性のある第一次選挙への挑戦の脅威にさらされ、沈黙を守る大きなプレッシャーにさらされている。

今のところ、見通しは安心できるものではない。憂慮すべきことに、リンジー・グラハム上院議員のようなかつての共和党員の多くは、トランプ不支持の最初の兆候で一貫して後退している。

言論の自由と報道の自由を信じるアメリカ人は、トランプによるメディアとそのあまりにも従順なオーナーへの脅迫にいつまで付き合うのだろうか。ホワイトハウスが組織的な反対勢力への攻撃を強めるなか、一流大学や法律事務所までもが膝を屈している。

国民の団結を求めるわけではない

大きな課題に立ち向かうためには、国民の団結が必要だ。しかし、それはトランプのやり方ではない。それどころか、彼は自分の政治的支持者でない人々を、たとえ彼らが重要な国家機関に奉仕していたとしても、脇に追いやろうとしている。例えば、ワシントンのジョン・F・ケネディ舞台芸術センターでは、理事会を解任し、メンバーを忠実な人物に入れ替え、自らを理事長に据えた。

関税引き上げは減税とは違うこと、そして彼の貿易政策は物価を下げるどころか、景気後退を引き起こし、インフレを上昇させる可能性が高いことを理解するにつれ、トランプ大統領の支持者にとっては、利害関係がより明確になるかもしれない。