預金を丸ごと奪われた…ころっと引っかかってしまう「ネットバンキング詐欺」あの手この手、被害に遭わないためには?

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「銀行口座を一時凍結した」といったメールから公式サイトと見た目が同じフィッシング詐欺サイトにアクセスさせ、ワンタイムパスワードも入力させます。詐欺師は裏側で同時に公式サイトに不正アクセスし、ワンタイムパスワードも入力して振り込み処理を行っているのです。

人力ではとても無理なので、ソフトウェアロボットなどを使って業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの技術を使ったシステムを構築したと思われます。2023年、この手口で736万円を不正送金されてしまった事件がNHKの番組で取り上げられていました。

偽サポート詐欺と組み合わさる事件も起きています。偽サポート詐欺とは、ウェブ閲覧中にいきなり画面に「ウィルスに感染した」などと表示が出て、サポートに連絡するように誘導する手口です。電話すると、遠隔操作ソフトをインストールするように指示され、ありもしないウィルスを除去したと手数料を要求されます。

これだけでもひどい詐欺なのですが、2023年、兵庫県80代男性がだまされたケースでは、ネットバンキングで手数料の490円を振り込む際、詐欺師が遠隔操作で入金額にゼロを3つ足してしまいました。男性はそのまま振り込んでしまい、49万円の被害に遭ってしまったのです。同様の手口で、洲本市の50代女性も250万円の被害に遭っています。

被害に遭わないようにするには?

ネットバンキング詐欺に引っかからないためには、これらの事例を知っておくと効果があります。似たような手口をしかけられた際に気が付くことができます。怪しいと感じたら、すぐに連絡を断ってください。例えば警察をかたっている場合、「この電話を切ったら助けられなくなる」などと言ってきますが、だまされないようにしてください。

フィッシング詐欺に遭わないためには、メールやSMSに記載されているURLは開かないことが重要です。公式サイトは自分で検索したり、登録済みのブックマークを開いてアクセスしましょう。これだけで、ネット詐欺に遭う可能性を随分と減らせます。

次にマルウェア対策として、OSをつねに最新の状態に保ち、ウィルス対策機能を有効にしておきましょう。マルウェアに感染させ、ユーザーのブラウザとオンラインバンキングのサーバーの間に介入し、不正な取引を行うMITB攻撃という手口もあるためです。

お金を要求されておかしいと感じたら、まずは家族に相談してみましょう。消費者ホットライン「188」(局番なし)や。最寄りの警察署または各都道府県警察のサイバー犯罪対策窓口に連絡してもOKです。

ネットバンキングなど使わない、というご両親などのシニアの方でも、ここで紹介した事例のように口座開設までセットにした詐欺の手口もあります。ネットバンキング詐欺の被害に遭ってしまうと、盗まれたお金が返ってくる可能性はほとんどありません。ぜひ、ご家族にも情報を共有し、みんなでデジタルリテラシーを身に付け、ネット詐欺の被害を回避してください。

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティーの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。
柳谷 智宣 ITライター

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やなぎや とものり / Tomonori Yanagiya

1972年生まれ。1998年からITライターとして活動し、エンタープライズ向けのプロダクトをはじめAI、DX、サイバーセキュリティまで幅広い領域で執筆する。2018年から、NPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立し、ネット詐欺の被害をなくすために活動している。

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