オレンジページ「性的広告が物議」なぜ株上げた? 苦情殺到も、その後の対応が大絶賛される事態に
いまや、インターネット広告費は、マスメディア4媒体(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)の広告費を合わせたものよりも大きくなっている。
それだけ存在感が大きくなっているメディアであるにもかかわらず、不適切な広告が排除できない――という現状は、非常に不健全な状態だと言わざるをえない。
オレンジページ、クラシルが賞賛された理由
不適切な広告が表示されてしまうのは、アドネットワーク側の問題と言っていいが、サイトの閲覧者にとっては、裏側にあるシステムは見えない存在だ。クレームは、必然的にサイト運営者側にいってしまう。
クラシルやオレンジページは、「アドネットワーク側の問題だ」として責任回避をすることもできたのだが、謝罪をしたり、対応策をしっかり示したりすることで、「責任感がある」「信頼できる」という評価を得るに至っている。

クラシルやオレンジページの利用者は、アドネットワークの仕組みまで理解している人は多くなかったと思うが、サイト運営側が性的な広告を容認していたわけではない――ということは理解していたようだ。
一時期、大きな問題になった、SNS型投資詐欺やなりすまし広告は見かけなくなってきたが、怪しげな投資広告や性的な広告、著作権や肖像権を侵害している広告など、依然として不適切な広告を多数目にする。
最近、芸能人やスポーツ選手の違法オンラインカジノ利用の問題が顕在化したが、脱法的な誘導広告が問題視され、規制が検討されるようになっている。
十分な対策が取れるかどうかは今後の課題ではあるが、少なくとも問題を矮小化することなく、自社の問題として受け止め、対応策を示したという点で、筆者としても、オレンジページやクラシルの対応は適切であったと考えている。

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