NTTドコモの子会社になることで、一段と飛躍できます--緒方大助・らでぃっしゅぼーや社長(第4回)

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NTTドコモの子会社になることで、一段と飛躍できます--緒方大助・らでぃっしゅぼーや社長(第4回)

--1月30日、NTTドコモがらでぃっしゅぼーやを買収すると発表しました。買収額は約69億円。1月31日から3月12日にかけてTOB(株式公開買い付け)を実施、その後、約20%の株式をローソンに譲渡する計画ですね。

わが社は投資ファンドが大株主の会社です。いずれはファンドは売却し、どこかが大株主に出てくると皆が思っていました。そういう意味では、社員や関係者には織り込み済みなのでしょう。株式の過半近くを持つジャフコにはさまざまな会社がアプローチしていたと聞きます。その中の1社がNTTドコモ。昨年10月から具体的な協議に入ったと聞いています。

--上場から非上場になると、手放すメリットもあるのでは。

上場のメリットは3つあります。資金調達、人材確保、透明性・信用力の3つです。ドコモの子会社になったらそれが失われるでしょうか。資金の面では困ることはないでしょう。人材も、より確保しやすくなるかもしれません。当然、信用力もアップします。むしろ、年間1億円内外の上場コストがなくなるメリットのほうが大きいかもしれません。なので、非上場になるデメリットはないと考えています。

--携帯電話市場が成熟化していく中、ドコモは通信以外の企業と連携し新規事業を拡大していく必要があったのでしょう。一方、らでぃっしゅのメリットは何なのでしょうか。

ひとつは大きな販売促進の地平が開けるということです。一定金額以上携帯料金を使うドコモのプラチナユーザーは6000万人だそうです。彼らに有機野菜の宅配のアプローチができ、スマートフォンから注文がもらえるのは大きい。リアルのドコモショップ2390店舗でも販促活動ができるかもしれません。

--現在、らでぃっしゅの利用者が1人年間で使う金額は20万円です。プラチナユーザー6000万人のうち1%の人が利用しても1200億円です。今、ラディッシュの年商が220億円ですから、とてつもない金額ですね。

それなりの試算はありますが、ご勘弁ください(笑)。

--生産管理のメリットもありそうですね。

契約農家の方にドコモのタブレット端末を渡します。そして、野菜の生育状況を写真などで送ってもらう。そうすると、日本全国、その時点での生育状況が即座にわかる。たとえば、トマトは今、ここがベストだから即出荷しよう、と効率よくできます。病気の対応なども畑単位でできるようになるでしょう。

配送面でも大きいです。たとえば、配送スタッフがお客様履歴をチェックすることで、商品のおすすめもタイムリーにできます。配送車が今どこに走っているかもGPS機能で確認できます。物流の効率化は大きなメリットです。

--ローソンの役割は何でしょう。

昨年10月にローソンと共同出資してネット通販の会社を作っています。今、協議しているのは物流センターです。共同で運営できないか検討しているところ。われわれにとっては物流の効率化は大きな課題です。ローソンとより関係を深くしてやっていきたいと考えています。
 
--今回のTOBはいいことずくめですか(笑)?

会社としては売り上げを伸ばせ、契約農家も潤うでしょう。物流が効率化でき広告宣伝費を抑えられれば商品価格も引き下げられます。これがお客様のメリットです。会社、農家、お客様の三方にとっていいことです。

おがた・だいすけ
1960年6月生まれ。福岡県出身。「キューサイ青汁」(現キューサイ)入社、開発部次長などを経て2000年1月、有機・低農薬野菜、無添加食品、環境にやさしい日用品等の会員制個別宅配ネットワーク・らでぃっしゅぼーや株式会社代表取締役社長に就任。08年ジャスダック上場。

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(撮影:尾形 文繁)

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