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ラジオでタレントが「自身のこと」を話し始めた訳 「ハッシュタグ」で大きく変わった番組の作り方

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  • 冨山 雄一 ニッポン放送「オールナイトニッポン」統括プロデューサー
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この価値観が徐々に浸透していった結果、パーソナリティご自身の結婚の報告や、お子さんの誕生など、個人的な大切な報告をオールナイトニッポンの放送で語ってくださる例が増えていきました。

おめでたいご報告以外にも、何か世間を騒がす出来事があった後に、自分の言葉で説明をしたいというときの発信場としてオールナイトニッポンを使ってもらえるシーンが増えていきました(もちろん説明できないケースもあります)。

名前も知らない記者たちの質疑に応えるやりとりを通して、世間一般に意思表明する「記者会見」のスタイルよりも、まずは普段から自分の話を聴いてくれているリスナーに対して自分の言葉で語るほうが、ご本人にとっても納得感があり、安心感もあるのだと思います。

こうした事例が増えるに伴なって、他社のメディアから取材の依頼が来たり、「放送中の音声データを貸してほしい」といった相談を受けたりする頻度も増してきました。

本人の言葉をそのままストレートに聴いてもらうほうがいいだろうという広報チームの判断で、「ラジオの音声は積極的に貸し出す」という方針へと切り替わりました。

拡散されるなら、自分が言った「生の言葉」が声色や間合いも含めてそのまま広がるほうが、パーソナリティ本人にとっても受け入れやすいはずだと思えましたし、テレビを通じて発言を視聴した人が興味を持ってラジオを聴きに来てくれるという効果もありました。

「勝手に記事に書かれて泣く」のではなく、「公式の発信場所」として、“一次情報の提供元”として、堂々と立ち振る舞うと決めると、いろいろな施策が浮かんできました。

放送を起点として広がりが生まれる

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放送がゴールだと思っていましたが、放送を起点としてネットニュースやワイドショー、SNSなど二次的な広がりが生まれる。

ならば、「オールナイトニッポンのことを誰よりも理解している自分たちが記事を出せばいいのでは?」という発想から、自社メディアも生み出し、自前で記事も出すという取り組みも行っています。

マスメディアの一員であるラジオ局はあくまで「情報を集めるプラットフォーマー」という役割を担っているものと思い込んでいましたが、実は「情報が生まれる場所=コンテンツ側」の立場にもなり得るのだという発見は、自分たちにとっては視界が開けるきっかけとなりました。

オールナイトニッポン発の面白い企画をどんどん仕掛けていこう! というクリエイティブなカルチャーの醸成にもつながっていったと思います。

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