ラジオでタレントが「自身のこと」を話し始めた訳 「ハッシュタグ」で大きく変わった番組の作り方

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

通常ならば「大倉くんと高橋くん」は、番組ハッシュタグが「#otannss」になっていたと思います。この慣習を改め、「#大倉くんと高橋くん」とストレートな日本語表記にすることで、視認性は圧倒的にアップ。

番組が人気になったことで毎週土曜日の深夜は「#大倉くんと高橋くん」がトレンドの上位にランクインすることになり、番組の感想が一気に集まりやすくなりました。

以後、「#星野源ANN」、「#乃木坂46ANN」など、オールナイトニッポン関連の番組のハッシュタグは「パーソナリティの名前+番組名」の形に統一しています。

深夜27時からの放送枠「オールナイトニッポン0(ZERO)」は、以前はすべてのパーソナリティ共通で「#ANN0」という1つのハッシュタグを使っていたのですが、これも「#あのANN0」、「#JO1ANNX」など、パーソナリティごとに個別に設定。

この小さな改革によって、ラジオリスナーだけでなく、彼らそれぞれのファンにも見つかりやすくなり、やがてリスナーの熱量の形成へとつながっていきました。

2010年代前半は、メディアとの付き合い方にかなり悩んだ時期がありました。

ラジオの生放送中に、ツーカーのリスナーと分かち合う「密室」の雰囲気のなかで話して盛り上がった会話のなかの、言葉だけが面白おかしく切り取られてネットニュースに上がる。目を引く見出しが拡散されて、ラジオの文脈を知らず、わざわざ聴きに来ようともしない人たちからのネガティブコメントが集まってSNSで“炎上”する。

パーソナリティのなかにはネットの反応に敏感になり、ナーバスになる人も出てきました。

「新しいニュース」が生まれる場所

とはいえ、「ニュースにしないでください」と言ったところで止むわけもなく、どうにか策を打たなければ……と考えていました。

そして、生まれたのが逆転の発想。いっそのこと「ニュースになる」という前提で、ラジオを作ると考えることにしたのです。

ラジオの生放送は、会員制の個室のなかで語られる密室トークではなく、通りすがりの誰もが立ち寄れる公開トークであることを、パーソナリティに再認識してもらったうえで話してもらうように。

むしろ、「自分を応援してくれる皆さんに知ってほしいことを、きちんと自分の言葉で語れる場」として、オールナイトニッポンの時間を活用してもらいたいのだと伝えました。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事