ピューロランドの「ちゃんりお」とは何なのか サンリオ初の取り組みが異例の大ヒットに
消費増税もあり、昨年から今年にかけ、テーマパーク業界ではチケット料金の値上げが相次いだ。東京ディズニーリゾートでは昨年、増税に伴い200円値上げ(18歳以上のワンデーパスポート)、今年4月にも500円引き上げ6900円に(同券種)。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも、増税で190円(12歳以上の1ディ・スタジオ・パス)、今年1月に220円値上げし7200円になっている(同券種)。
その中でピューロランドは昨年4月、異例の値下げを断行した。平日の1日パスポート料金を4400円から3300円と25%、休日も約15%下げ、低価格化で集客を図る起死回生の戦略に打って出た。
加えて、サンリオキャラクター以外も可能なコスプレイベント「こすぷれふぇすた」など、従来にはなかったイベントを開催。さらに、X JAPANのYOSHIKIのファンミーティングや韓流アイドルのイベントなど、大人の女性客が見込めるイベントもスタートした。
ピューロランドの従来の客層は、小学生以下の女児とその家族が中心。これらのイベントで、子供のころにサンリオキャラクターになじみのあった大人の女性を狙った。値下げに加え、こうしたイベントが奏功し、今年度に入ってから、客数は毎月2ケタ増ペースで回復してきた。
ちゃんりおで新たな客層の開拓に成功
そして、客数がじわじわ戻る中で迎えた7月、過去最高の入場者数を決定づけたのが、同月開始した、ちゃんりおメーカーだった。
ちゃんりおメーカーでは、作成したキャラクターのQRコードが入手できる。それをピューロランド内の専用端末にかざすと、作成したちゃんりおが、ハローキティやマイメロディなどおなじみのキャラクターと大型スクリーン上で共演、一緒にパレードすることができる。
また、ちゃんりおが印刷されたカードを500円で発行し、施設内の飲食・物販で優待価格を受けられるサービスも提供している。カードは記念品としても人気が高いという。さらに、8月には自作キャラクターがデザインされたクリアファイル(300円)を販売するなど、商品化もスタートしている。
ちゃんりおメーカーの利用者は、半数以上が中高生以上の女性。もともとの強みである女児に比べて年齢の高い世代が中心で、新たな客層の獲得に貢献している。
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