中国政府が「リン酸鉄系」電池の技術輸出を規制へ 正極材の関連技術を輸出管理のリストに追加

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海外の自動車メーカーの多くは、最近までLFP電池の採用に消極的だった。そのため、海外の電池メーカーは三元系の開発・生産に集中し、LFP電池に関しては中国メーカーが事実上独占している。

そんなすみ分けを揺さぶったのが(2021年頃から始まった)中国自動車市場の急速なEVシフトと、(2022年末にかけての)リチウム相場の大幅な値上がりだ。

車載電池の需要の急拡大を背景に、中国市場ではコスト面で優位なLFP電池の採用が(エントリークラスや商用車以外にも)拡大し、2023年には新車に搭載された電池に占める比率が6割を超えた。

中国の電池メーカーはLFP電池の改良を重ね、実用上の性能を三元系に遜色ない水準に高めた。写真は超急速充電に対応した中国CATL製のLFP電池(同社ウェブサイトより)

過去数年の絶え間ない改良を経て、中国の電池メーカーがLFP電池の三元系との性能差を大幅に縮めたことも、シェア拡大を後押しした。

海外勢の新規参入に影響も

その結果、LFP電池のコスト優位がさらに鮮明になり、ここにきて海外の電池メーカーにも新規参入の動きが広がり始めた。例えば韓国の電池大手のLGエナジーソリューションは、2025年中の量産開始を目指している。

では、中国政府による今回の技術輸出規制は、電池市場のグローバル競争に実質的な影響を与えるのだろうか。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

「LFP電池は、現時点では中国だけで生産されている。中国の電池メーカーは材料技術や量産技術で大幅に先行しており、新規参入する海外企業は中国の技術への需要があるはずだ」

ある電池技術の専門家は、財新記者の取材に対してそう述べ、一定の影響があるという見方を示した。

(財新記者:盧羽桐)
※原文の配信は1月3日

財新 Biz&Tech

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