映画『忍たま』大人向けに"大胆転換"も好調の訳 13年ぶりの劇場版、他作品のヒットも影響?
尼子騒兵衛の漫画『落第忍者乱太郎』が原作で、アニメは放送開始から今年で32年目。
個性豊かなキャラクターたちが織りなすにぎやかな会話劇を、子どもの頃にテレビで見ていた方も多いだろう。
対して今年の映画は、乱太郎たちの教科担当教師・土井先生こと土井半助の失踪をめぐって忍たま一同が奔走する、緊迫したストーリーとなっている。
『忍たま』らしい和やかな笑いは随所にありつつも、キャラクターたちの過去が垣間見える人間ドラマや、忍者同士の本格アクションなど、新たな魅力が詰まった一作になった。
また、『忍たま』の魅力である「丁寧な時代考証」は映画でも健在だが、さらに今作では、作品の舞台である、戦国の時代背景を感じるビターな描写が所々にちりばめられている。
詳しくはぜひ劇場で見てほしいのだが、大人になって初めて同シリーズに触れる方は「忍たまって実はこんな話だったのか」ときっと驚くはずだ。
ではなぜ今回の劇場版は、そのような"大人向け"とも思える攻めたコンセプトに踏み込んだのか。映画『忍たま』は、同作の既存ファンのみならず大衆層の動員を狙った企画なのだ。
そして実際に、アニメファンを中心にじわじわとリピーターを増やしている現状がある。
キャラクターの"タレントパワー"は影響力大
今作が話題を集めた理由の一つが、「本編の主人公とは異なるキャラクターをメインにした企画の成功」だ。実写作品において俳優の集客力が重要であるように、アニメ映画においてもキャラクターの座組は作品人気にダイレクトに影響する。
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