令和ロマンくるま「芸人総アイドル化時代」を分析 芸人はブームに対して上手く乗りつつも内心冷静

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いやまあ昔でもそういう展開をしていたら売れたんだろうけど、あの頃はそんなの芸人じゃない、とか昔気質の考えが主流だっただろうし、そういう商売に手を出さなくても何となく儲かっていたお笑い業界だったが、闇営業問題やらコロナやらテレビ離れやらでその「何となく」が通用しなくなってきて、ようやくマネタイズに漕ぎ出したのもあるな。

その「芸人総アイドル化」時代に肥大したSNSが加わって問題が大きくなってる。劇場内で静かに嫌い合っていたワーキャー的ファンとネタ原理主義ファンも、ネット上で「論争」ができちゃうから、派手にその話が展開しているように見えてしまう。その話題で出された芸人に対して「何となくファンが揉めてるイメージ」とかがついてしまう。

そして特に思想のないファンもSNSを見て「揉めている芸人のファンの仲間」になりたくない、とかも考えてしまう。とにかく個人が全体に接続されている状態が精神衛生上よくない。

一方芸人はあまりこの流れを汲んで考えていないから、簡単に「ワーキャー芸人だ!」とか「俺も顔ファンほしー!」とか揶揄してしまう。かつての「ワーキャー芸人」たちが人気にかまけてネタが伸び悩んでいったことはみんな何となく分かっているから、今回のブームに対して上手く乗りつつも内心冷静な部分があって、本当に調子乗ってる奴がほとんどいないから平和的にイジり合ってるんだけど、それがお客さんとのピリつきとあんまり噛み合っていない。

ファンによる「全ステ問題」

以前、Xで「全ステ問題」が話題になっていた。大阪では劇場が近い距離に複数あるため、3つの劇場の出番を3回ずつ回ったりする。それぞれのライブの公演時間は被っているので演者は自分の出番が終わったら即移動する。それに合わせてファンも移動して「全ステ(ステージ)」を見ようとしてしまうから、人気の芸人の後は完売のはずなのに空席が! という昔からある問題がさらに深刻な問題かのように論争になっていた。

「全ステ」側の人は「なんで全ステしちゃいけないのか分からない! 推しは全部見たい!」と言っていた。Xのプロフィールを見るとアイドルのファンもやっている方で、あっちの世界では普通のことなんだと思った。

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