JR東「風通しがいい」新型ホームドアは何が違うか 南武線で導入開始、設置加速の切り札になる?
2024年度、ホームドアを設置する駅数が群を抜いて多いのは、今回2駅にスリットフレーム型を設置する南武線だ。同線については今年11月、2025年春からワンマン運転を実施すると発表している。利用者の多い都市部の路線では、ワンマン化にあたってはホームドアの整備が必須といえる。
JR東日本は南武線と同じ2025年春に常磐線各駅停車の綾瀬―取手間、さらに2026年春には横浜線でワンマン運転を行う計画だ。その後2030年ごろまでに山手線、京浜東北・根岸線、中央・総武線各駅停車、埼京・川越線でも準備を進め、ワンマン化を実施するとしている。ホームドアの整備はこの点からも不可欠であり、新タイプの導入は設置をさらに加速するうえでも重要といえるだろう。
主流は「可動式ホーム柵」
国土交通省のデータによると、2022年度末(2023年3月末)時点でホームドアは全国の1060駅2484番線に整備され、1日当たり平均10万人が利用する駅には157駅493番線で整備されている。
国交省は、ホームドアを「可動式ホーム柵」「ホームドア」「昇降式ホーム柵」と分類している。「可動式ホーム柵」は上部に空間があり扉が左右に開く、いわゆる一般的にイメージされるホームドアだ。「ホームドア」は、東京では東京メトロの南北線や、全国的には新交通システムで多く見られるフルスクリーンタイプを指す。「昇降式ホーム柵」はロープを上下に動かすもので、JR西日本の関西圏で多く見られる。
2022年度末時点で、可動式ホーム柵は2163番線、ホームドアは297番線、昇降式ホーム柵は24番線に備えられている。フルスクリーンタイプのホームドアは後からの設置が難しく、昇降式はドア数の違う車両が多数発着する駅などでの「次善の策」と考えられる中、やはり多いのは可動式ホーム柵である。
スリットフレームホームドアは、可動式ホーム柵である従来型ホームドアの進化形だ。今後も、JR東日本だけでなく全国各地の路線で可動式ホーム柵の整備が進んでいく中、低コストで従来型に近いこのタイプが広がっていく可能性もあるだろう。
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