JR東「風通しがいい」新型ホームドアは何が違うか 南武線で導入開始、設置加速の切り札になる?

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そこで開発されたのが「スマートホームドア」である。ドア形状はフレーム構造となっており、重量は約195kgと大幅に軽量化された。2016年に横浜線町田駅で試行導入し、2020年2月に京浜東北線蕨駅に本格導入されて以降各地で増えつつある。南武線で最近見かけることが多いホームドアはこのタイプである。

従来型ホームドア
従来型のホームドア(写真:JR東日本提供)
スマートホームドア 横浜線
スマートホームドア。筐体がフレーム状になっており軽量だ(写真:JR東日本提供)

では「スリットフレームホームドア」とはどのようなものなのか。スリットフレームという名の通り、戸袋や扉の部分にスリットがあるのが見た目の特徴だ。

従来型のホームドアはそれ自体が重いというだけでなく、列車の風圧を受けやすいという課題がある。そこで、扉や戸袋を風が抜ける構造にしたホームドアを考案し、2021年11月から12月にかけて南武線登戸駅で実証実験を行った。

「スリット」で風圧の影響軽減

その結果生まれたのがスリットフレームホームドアだ。従来型のホームドアと同様の形状で安全性を維持したうえで、扉や戸袋をスリット化して風が抜けるようにし、ホームやホームドア支持部の風圧による影響を従来型と比べて約40%軽減した。これによって、ホームの補強など設置工事の簡素化が期待できるという。

スリットフレームホームドア
スリットフレームホームドア(写真:JR東日本提供)

また、従来型のホームドアと据え付けの構造や制御システムに互換性を持たせており、従来型と組み合わせて使用できるという。メンテナンスがしやすい部品や機構の採用で保守作業も効率化を図っている。重量は約282kgで、従来型ホームドアとスマートホームドアの中間だ。

JR東日本はスリットフレームホームドア導入開始のプレスリリースで、このタイプを「従来型のホームドアの後継機として導入」するとしている。ただ、今後の設置がすべてこのタイプになるわけではない。同社コーポレート・コミュニケーション部門によると、今後のホームドア設置にあたっては「従来型、スマートホームドアなど3種類を組み合わせながら設置を進めていく」という。

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