私はアセモグルらの一連の論考について、「今の日本にも大いに当てはまっているのではないか」とかねて感じていた。実は、わが国は気がつかないうちにかなり収奪的な社会に移行しているから、長期停滞から抜け出せないのではないか――。私は10年ほど前から、周囲が「成長戦略だ」「生産性の向上だ」と言う中で「生産性というよりは分配の問題ではないのか」という主張を続けてきた。
生産性は向上しているのに実質賃金が上がらない
日本がいつのまにか収奪的な社会になっていた――そう聞くと多くの人が「えっ」と驚くだろう。では、なぜ日本が収奪的社会だといえるのか。
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