下山の思想 五木寛之著
少子高齢化、膨らむ国の借金、一向に減らない自殺者など、人々を取り巻く環境に明るい材料は見当たらない。
著者は、戦後の復興と高度経済成長を「登山の時代」だとするならば、現在の状況を「下山の時代」だと見なす。そして、地震と原発事故は、下山中に大きな雪崩に見舞われたようなものだと記す。しかし、下山とは決してあきらめの行動ではなく、下山には下山のよさがあるとも説く。登山中は必死なため見られなかったような、美しい景色も眺められる。次の登山への夢も思い描けるだろうと。
実り多い豊かな下山をするためにはどうしたらいいのか。震災直前から震災以降の、日本に対する著者の思いを託したエッセー集。
幻冬舎新書 777円
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