モト・グッツィ「V100マンデッロ」伝統と次世代 イタリア名門ブランド100周年の集大成バイク

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V100マンデッロのスタイリング
V100マンデッロのスタイリング(写真:三木宏章)

V100マンデッロのデザインは、一見するとコンサバティブなツーリングモデルに見えるが、エアロダイナミクスへのこだわりなど、ライダーへの配慮も忘れないエンジニアリングにも注目してほしい。

またがっての第一印象は「コンパクトさ」だった。

筆者がV100マンデッロにまたがったときのポジション
筆者がV100マンデッロにまたがったときのポジション(写真:三木宏章)

V100マンデッロのサイズ感は、身長176cmの筆者にとって受け入れやすい自然なポジション。ハンドルへ伸ばした腕は肘がわずかに曲がる程度、ステップに向けた膝も90度を少し切ったあたりで、ハンドル・シート・ステップの位置関係が丁寧に作られている。このポジションであれば、肩の力も抜け、2輪車のセルフステアを邪魔することもない。また、膝も曲がりすぎていないので、着座位置からステップへ荷重もかけやすく、マシンコントロールも容易にできる。

数値からもわかるコンパクトさ

V100マンデッロのリアビュー
V100マンデッロのリアビュー(写真:三木宏章)

コンパクトに感じる1番の要因は、数値から見てもわかる。ホイールベースは1475mmで、欧州メーカーの作るフルサイズ高速スポーツツアラーに比べて50mm以上短く、車重も燃料90%搭載時で233kgと、これもまた高速スポーツツアラーに比べ5kg以上軽量といえる数値に収まっている。サイズで言えば、近年各社が取り組んでいる800~1000ccあたりのエンジンを搭載したミドルクラスに属するマシンと同等だ。

また、新設計のV型水冷4バルブエンジンは、薄型のオイルパンデザインを採用することで、エンジン搭載位置を下げ、マシンのロール方向への入力を減らし、このあたりもライダーにとって扱いやすいものになるだろう。

ホイールベースや車重に関しては、どうしても昨今の高速ツアラーは人気のアドベンチャークラスとの共有コンポーネンツ(エンジン・シャーシ)も多く、併せてエンジン出力アップ=ドライバビリティーとのバランスを狙い車両自体が大型化される方向が多いのが実情だから、こういったほんの少しの設計値の違いが、取りまわしにも大きく影響するのだろう。

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