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多角化はDNA
――ミネベアミツミは8分野をコア事業としています。すべてをコントロールするのは大変ではないですか。
そういう話になるのは、なぜかといつも思う。ユニクロを知っているでしょう。昔はフリース屋さんだったのが、今は下着や靴下、コートまである。でもフリースだけを売れと言う人がいるのか。いないでしょ。
ユニクロで全部買えば、割安で品質の高いコーディネートが出来上がる。われわれは高級な製品を作るための各種パーツを扱っている。それがベアリングであり、モーター、半導体など。やっていることは、まったく同じだ。
多角化の発想は、義父・高橋高見会長(1989年没)の時代からある。当時、祖業の軸受けは将来なくなるかもしれないと真剣に議論されていた。それでモーターとか、いろんなことをやり始めた。当社のDNAとして植え付けられているのだと思う。
――コングロマリット・ディスカウント(複合企業の価値が、各事業の企業価値の合計を下回る状態)を指摘する投資家もいます。
リスクマネジメントの究極の姿が多角化だ。株式市場には、それが伝わらない。私はソニーグループをすごいと思う。銀行や保険会社まで始めて、グループで営業利益1兆円を超えている。
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