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ミネベアミツミ「M&Aの方程式」買収先は黒字必達 タイ工場の改革後に"余剰35%"が出現した意味

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ミネベアミツミの貝沼由久会長兼CEOは、M&Aで多角化を進めてきた。8分野にまたがるコア事業とのシナジーを発揮させるうえで、重要なのは統合作業だ。実際に記者が買収先のユーシンのタイ工場内で目にした、驚きの光景とカイゼン活動の中身に迫る。

東京・汐留の「東京クロステックガーデン」へ2023年に本社移転。一部営業拠点や買収会社などを集約した(提供:ミネベアミツミ)

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世界中の自社工場を飛び回り、生産性を改善してきた貝沼氏。視察で大切にするのは「事前のテーマ設定」という。まずは各拠点から上がってくる数字を読み込む。そこで問題を把握し、見るべきポイントを事前に絞る。工場では何が悪いのかを自分の目で見て考え抜き、浮かんだ疑問を率直に従業員へぶつける。

そして、あぶり出した課題を1つずつ地道に潰す。この動作を延々と繰り返してきた。「そんなにすごいことをやっているわけじゃない」と本人は言うが、8分野にまたがるコア事業を掌握し、それぞれに細やかな判断を下すマネジメントは簡単ではない。

貝沼氏は「話しやすい人」

トップの頻繁な介入は現場を萎縮させるのではと思いきや、ミネベアミツミには「むろん緊張するが、会長は意外と話しやすい」と明かすエンジニアもいる。問題点が見つかっても、頭ごなしの否定はされず「なぜこうなっているのか」とたずねてくるという。

ある同社幹部は「たとえ相手が部下であっても、言い分はきちんと聞く。元弁護士だけあって本当にフェアな人物」と貝沼氏を評する。フォローアップも忘れない。カンボジアの工場で働く男性駐在員は「視察に来られた後、エクセルに『3W1H』を記してメールで送ってくれた」と振り返る。

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