「センサリールーム」導入の先駆者・川崎Fの使命 発達障害・感覚過敏のある子もサッカー観戦を
音や光など五感の刺激を抑え、発達障がいや感覚過敏の特性がある人に配慮した空間「センサリールーム」の設置が日本のスポーツ界で広がり始めている。スポーツ観戦には大観衆の人混みや大音量の歓声がつきものだが、スタジアム内にセンサリールームをつくることで誰もが観戦を楽しみ、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念を体現できる。2019年7月に日本で初めてセンサリールームをホームスタジアムに導入した、Jリーグ・川崎フロンターレ プロモーション部の吉田沙智氏に詳細を伺った。
年に一度の特別イベント「えがお共創プロジェクト」とは
──川崎フロンターレがセンサリールームに注目したきっかけを教えてください。
2017年の冬に、発達障がいをテーマとした「心のバリアフリー・シンポジウム」(JTB主催)が川崎市で開催されました。シンポジウム参加企業のJTB・全日本空輸(ANA)・富士通の3社と川崎市が一丸となって、スポーツを通じたユニバーサルツーリズムを行いたい意向があり、川崎フロンターレの親会社である富士通からわれわれに声がかかりました。
フロンターレといえばサッカー観戦なので、どうすれば発達障がいの子どもたちが心置きなく現地観戦できるかを考える中で、センサリールームの存在を知りました。
そして、発達障がいのある子どもたちへの取り組み「えがお共創プロジェクト」として、2019年7月27日、ホームスタジアムの等々力陸上競技場(現:Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)でのセンサリールーム特設が実現したのです。対戦相手の大分トリニータからも参加者を募り、大分から現地までのアテンドをANAに担当してもらいました。
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