時計愛好家を「5大ブランド」が魅了し続ける訳 歴史と伝統に技術があわさった奥深き世界
現存するジュネーブ最古の時計ブランドであり、ジュネーブの時計文化を継承するために、1886年に定められたジュネーブ州の時計の品質規格「ジュネーブ・シール」に準拠した時計を作っている。
この規格は技術面や機能面、精度だけでなく、時計の美的側面にも厳しい基準が設けられており、例えばムーブメントを構成するパーツは、角を落として磨く“面取り”を行うだけでなく、側面にヘアライン仕上げを入れることで輝きのメリハリを作らないといけない。こういった仕上げを微細なパーツにも行うことで、時計の完成度を高めている。
またかつてのキャビノティエが、顧客のオーダーに合わせて時計を制作していたという歴史を継承するため、2006年に「アトリエ・キャビノティエ」部門を発足させ、顧客のオーダーに応じて一点ものの時計を製造している。今年は、なんと63もの機能を搭載した世界で最も複雑な時計「レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション」を発表。技術や歴史、伝統を尊ぶ姿勢が高く評価されている。
パリを熱狂させた天才時計師を起源とする「ブレゲ」
歴史という点では、ブレゲも負けてはいない。創業は1775年。スイスで生まれ、パリで活躍した天才時計師のアブラアン=ルイ・ブレゲ(以下、初代ブレゲ)が、セーヌ川のシテ島に立ち上げた工房がその原点となる。
今でこそ高級時計=スイスだが、18世紀は大国フランスこそが時計産業の中心地であり、最先端の科学技術としてだけでなく、人々の目を楽しませる芸術品としても、高級時計が王侯貴族の中で愛されてきた。
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