瀬戸際のオリンパス、巨額粉飾の全貌、上場維持なら日本の株式市場に禍根


 第三者委員会の調査報告書によれば、「今までと同じような説明を繰り返すのであれば、今後、継続して監査契約をするのは難しい。また素性の良くわからない証券会社や投資ファンドとの取引も同様である」と通告したという。こうしたやり取りが原因となり、09年5月、オリンパスはあずさとの契約を解除。最大手の新日本監査法人に乗り換えた。

だが、問題となった09年3月期決算において、あずさは財務諸表に虚偽記載がなく妥当であると認定する、無限定適正意見を表明している。しかも、当時監査を担当していたメンバーには、佐々誠一氏と小宮山賢氏が名を連ねる。オリンパスを担当する期間の前後に、それぞれあずさの品質管理部・専務理事および部長を務めた、エース級の人材である。

「あずさがハンコを押さないと、意見差し控えでオリンパスは上場廃止になる。影響の大きさを考慮して、ハンコを押すという政治的判断をしたことはありうる。監査人は完全なアウトでなければ、『適正』とするのが通常だ」(公認会計士)

こうした事情があったにせよ、第三者委員会は「踏み込んで検討せずに無限定適正意見を出したことについては、問題なしとしない」とあずさに一定の責任を認めた。これにより、余波が広がる懸念も生じている。

「今最もおそれているのは、オリンパスの外国人投資家がうちに対して株主代表訴訟を起こすこと。それをきっかけにして、監査企業が雪崩を打ってほかの監査法人に乗り換えるようなことがあると、たいへんなことになる」。あるあずさの幹部は、そう心情を吐露する。

メイン銀行である三井住友フィナンシャルグループの宮田孝一社長は11月14日の決算会見で「正直、見抜けなかったことは事実。極めて残念」と弁明した。だが、「ジャイラス買収に関するM&A助言会社への報酬だけで600億円以上が支払われている。財務資料を見られる立場の銀行がわからないということがあるのか」(金融関係者)と疑問を呈する声もあり、真相は不明だ。

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