「新旧ジャニ"共演"」で露呈したテレビ局の本音 ジャニーズ事務所謝罪会見から1年で何が変わったのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ただ、改善のスピード感は遅く、まだまだ不十分。同時出演ではなく、パフォーマンスやトークでの共演を見せてこそ、圧力や忖度というネガティブなイメージを完全に払拭できるだけにもどかしさを感じさせられます。

このところ関係者を取材していて感じるのは、日本テレビに限らず各局ともに「様子を見ながら、少しずつ共演を解禁していく」という慎重なスタンスを採っていること。

STARTO ENTERTAINMENTが「圧力はかけない」「忖度は無用」という姿勢を明かしても、Snow Manなどの視聴率、配信再生数、スポンサー獲得に直結する人気若手グループを抱えているため、「他局の様子も見ながら慎重に事を進めたい」という様子がうかがえます。

そしてテレビ局が慎重なスタンスをとっているもう1つの理由は、「特定グループの一部ファンによる誹謗中傷や、ファン同士のいさかいに巻き込まれたくない」から。

たとえば、解散したグループのメンバーが音楽番組で共演したら、互いのファンが本人たちに厳しい言葉をぶつけたり、「推しの扱いがあっちより悪い」「なぜこんな共演を企画したのか」などと制作サイドを批判したりなどのリスクを避けたいようなのです。

鍵を握るタレントとファンの声

それでもマーケティングの精度に定評のある日本テレビなら、「物足りない」「本当の共演が見たい」という声が多く、コア層(主に13~49歳)の個人視聴率獲得が期待できれば、それを実現させる可能性はあるでしょう。

テレビ局にしてみれば、数字が獲れて、好感度が上がって、リスクが低ければ申し分ないだけに、タレント本人とファンが自らポジティブな声をあげることで、実現に近づいていくかもしれません。

もともと「芸能人はイメージを売る商売」とも言われるだけに、ビジネスを進めるという意味で、タレント自らテレビ局に共演を持ちかけてもいいでしょう。

たとえば、「解散したけど互いをリスペクトしている」「よい意味で競い合っていくために共演したい」というニュアンスが視聴者に伝わって、その結果、好感度や視聴率が上がれば、タレント、ファン、テレビ局の3者がウィン・ウィン・ウィンの関係性になれそうです。

SUPER EIGHT
20周年を迎えたSUPER EIGHT、今夏はアリーナツアーで大忙しだった(画像:SUPER EIGHT公式Instagramより)
次ページ忖度なしだった「理想の番組」といえば…
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事