「新旧ジャニ"共演"」で露呈したテレビ局の本音 ジャニーズ事務所謝罪会見から1年で何が変わったのか
何より筆者自身がテレビ局や出版社と仕事をする際にも何度かその影響を受けた経験があり、改めてこれを「なかった」とすることには無理があります。
これまでライバルになりうる他事務所のタレントとの共演も避けていたくらいですから、独立したタレントとの共演などもってのほか。それ以前に「彼らを起用するならウチのタレントは引き揚げる」というニュアンスでプレッシャーがあったという話を数えきれないほど聞いてきました。
それだけに今回の“同時出演”は画期的なものに見えますが、実質的な“共演”かと言えば疑問符がつきます。「with MUSIC」はMCの有働由美子さんとアーティストナビゲーターの松下洸平さんがアーティストを1組ずつ招く構成の音楽番組。
「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)のようにアーティストが一堂に会したり、ワイプでリアクションを映したりというシーンはほぼありません。また、「CDTV ライブ!ライブ!」(TBS系)のような生放送も少ないため、サプライズでの共演なども期待しづらいところがあります。
つまり、ファンも業界関係者も、「予告されている同じ事務所のSUPER EIGHTとWEST.以外は実質的な共演はせず、新しい地図とNumber_iがトークを交わすシーンなどもないだろう」というのが現実的なところ。ネット上を見ても、「絡みなんてないだろうし荒れる必要もないかと思う」などの冷静なコメントが目立ちます。
他局の様子を見つつ慎重に進めたい
ただそれでも、「同じ番組に出ることは初めてで忖度を無くす第一歩」「もう事務所のことなど関係なくこうやって普通に共演できるのが良い」などの前向きな声は多く、“同時出演”に留まっても、その意義が大きいことは間違いないでしょう。
これまで旧ジャニーズ事務所に限らず、大手芸能事務所を退所・独立したタレントは活動の場を制限されるなどの厳しい扱いに悩まされていました。
筆者自身、「テレビには出られないから、ライブ、舞台、営業などで地道にやっていくしかない」という苦労話を何度も聞いたことがあったのです。そんな時代錯誤な悪しき商習慣がこの1年で改善されているのは間違いないでしょう。
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