《進化するノンアルコール飲料4/ビール》ますますおいしくなるノンアル市場の先駆者
新たな挑戦も始まった。11年9月に、キリンはノンアルコール飲料で初の海外展開を始めた。初めての輸出先に決まったアメリカ西海岸は世界でも有数の車社会。需要が十分ある市場だと見込んだ。アメリカ用の小瓶(334ミリリットル)にはあえて、カタカナ表記も入れ日本ブランドであることをアピールする。日本食レストランなど業務用中心に1000店での採用を目指すが、「2週間目ですでに200店を突破した」(梶原氏)と、幸先のよい出だしだ。
キリンに追随するように、国内ビール大手3社のサントリー酒類、アサヒビール、サッポロビールも相次いでビールテイスト飲料を発売しており、市場は2ケタ成長で急拡大している。
特に、サントリーの「オールフリー」は、ついにキリンを追い抜き、11年は年間首位を奪う事はほぼ確実だ。11年1~9月時点でキリンの累計販売数量310万ケースに対し、サントリーは100万ケース以上も上回る419万ケース。
キリンがノンアルコールに“ビールらしさ”を求める一方で、「ビールの代替品ではない新しいノンアルコール飲料のイメージを重視した」(サントリー広報部)という、独自の戦略が支持され「大手居酒屋チェーンでも、ノンアルコールの飲み放題が増えている」。
より、支持されるビールテイスト飲料を目指し、各社のリニューアルや新製品の開発ラッシュはまだまだ続きそうだ。
(週刊東洋経済2011年12月10日号より、一部加筆修正)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら