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時代に逆行?鉄鋼大手が石炭権益を取得する事情 脱炭素の圧力が強まるが脱石炭は至難な現実

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試験高炉
日本の高炉大手が手を組み、試験高炉でコークスの一部を水素に置き換える研究を進めている。実証実験ではCO₂排出量の33%削減を実現した(記者撮影)

日本製鉄とJFEスチールが8月22日、豪州の炭鉱への出資を決めた。日鉄は1080億円で20%、JFEは540億円で10%を出資して権益を確保するとともに、一定量の石炭の長期購入契約を締結した。

製鉄で使われる石炭は粘結性を持つもので「原料炭」と呼ばれ、発電などの燃料に使われる石炭(一般炭)と区別される。原料炭は鉄鉱石と並んで鉄鋼生産における要の原料で主原料と称される。

もともと日本の鉄鋼大手は主原料の権益取得はわずかにとどまってきた。巨費を投じる鉱山開発は買い手との長期的な関係が前提で、取引価格はリーズナブルな水準が長く続いていた。だが資源会社の寡占化が進み、鉄鋼大手は原料高騰に悩まされることになる。

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