中丸不倫、アパへの風評被害は「ほぼない」理由 またもスキャンダルの舞台に…なぜイジられる?
そもそも不倫報道とあっては、ラブホテルにせよ、高級ホテルにせよ、どこへ行っても「芸能人としての格」は問われる。なぜ今回のように、アパだけが固有名詞で話題になるのか。名指しされるのは「それだけ強いブランド力」を持っている裏返しなのではないか。
そもそも「APA(アパ)」は、語感がいい。声に出したくなるし、赤ちゃんでも「パパ」「ママ」の次に言えそうなフレーズだ。ちなみにAPAは「Always Pleasant Amenity」の略語で、「いつも気持ちのいい環境」を意味するという。
加えて、目立つ帽子をかぶった「私が社長です」の広告で知られる、元谷芙美子氏のビジュアルも強い。同氏をパッケージにあしらった飲料水やレトルトカレーも、SNS上ではたびたび話題になる。また、深夜などに流れる、外国人女性がくねくねと踊る、意図をつかみかねるテレビCMが記憶にある読者も多いだろう。
看板などに用いられる、赤みがかったオレンジと、黒のツートンカラーも印象に残る。今回の文春報道も、20代女性がホテルから出てきた写真が掲載されているのだが、その外壁を見れば、一目で「アパだ」と認識できる。
また、ここでは詳細は省くが、室内に置かれた書籍や、関連法人による懸賞論文など、保守系の政治的論調でも知られる。その評価は人によるだろうが、いずれにせよ「独自色」を思わせる要素となっているのは間違いないだろう。
風評被害は「ほぼない」理由
これらの特徴を見ていて、気がつくのが、中丸さんや袴田さんらによる「アパ不倫」などの風評よりも、これまでアパ側が自社発信してきた、セルフブランディングによる印象のほうが、より強いということだ。むしろ自ら「ツッコミどころ」を作ることで、外的要因に左右されない、鉄壁の守りを築いているようにも感じさせる。
同じようなポジションのホテルチェーンには、「東横イン」や「ドーミーイン」などがあるが、ライバル各社は、これほどのインパクトはもっていない。東横インは会員になれば10回泊まると1回無料になるし、ドーミーインは深夜の無料軽食「夜鳴きそば」という人気メニューを持っているのだが、一般的な認知度でいけば、アパに軍配が上がるだろう。
当然ながら、今回は意図したクローズアップのされ方ではない。もし、これを機会に「不倫の定番スポット」としてのイメージが定着してしまえば、ブランド価値が著しく損なわれてしまう可能性もある。
しかし、ことアパホテルにおいては、そうした心配は取り越し苦労でしかないのではないかと感じる。不倫はあくまで使われ方の問題で、ホテル側には一切非がない。常連客に悪印象を与えるわけもなく、むしろ人気アイドルも太鼓判を押す快適性だと、プラスに考えることもできる。
利用していない人でも、それぞれの「アパ像」が形成されており、たとえ不倫が想起されたとしても、それはあくまで一面に過ぎない。実際、袴田さんの事案から7年間、つい数日前まで皆が忘れていたではないか。こうした背景を鑑みると、ちょっとやそっとじゃ、顧客の評価は揺らがないだろうと感じるのだ。
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