日本の「セキュリティ自給率」、低迷が深刻なワケ 技術が育たない「データ負けのスパイラル」とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

開発だけでなく、維持・運用にも相当のリソースを要するこうした基盤を提供することで、セキュリティ技術の底上げに寄与することを目指す。

「国産セキュリティ製品の長期運用・検証」では、民間企業から持ち込まれたプロトタイプの検証とフィードバックを行っており、すでに商用化フェーズに移行している製品もあるという。

CYNEXへの参画組織数は当初は40程度を見込んでいたというが、2024年6月時点で参画組織数は予測を大幅に上回る71。セキュリティに対する危機感が高まっているのと同時に、ビジネスとしての可能性を見出している企業の多さを表しているともいえそうだ。

「セキュリティの製品・サービスは、ビジネスとしても息の長いものになりますし、海外進出にもつながっていきます。私はアジア圏の各国に行く機会がありますが、高品質のイメージがある“メイド・イン・ジャパン”への期待はまだ大きなものがあります。

セキュリティ製品はとりわけ信頼性が求められますので、セキュリティ自給率を上げることは、日本の国際競争力を高めることにもつながるでしょう」

デジタル化が不可逆である以上、サイバー攻撃との戦いを避けることはできない。失われた30年を脱却して世界に伍するには、一歩一歩、着実に進んでいくしかないだろう。

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティーの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。
高橋秀和 ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たかはし ひでかず / Hidekazu Takahashi

1973年生まれ。早稲田大学社会科学部中退。飲食店、編集プロダクションを経て独立。ビジネストレンドを中心に、IT、教育、HRなど幅広い分野の取材・執筆を行っている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事